クロサワ
クロサワ

vanilla郡山店のクロサワです。

本日はいきなりアイキャッチからバルセロナチェアを出してみました(笑)今回は「ちょっとお話長くなっても良いですか?」の第4弾となります!いつもは商品をピックアップして詳細や蘊蓄を書いているブログですが、今回は大きく海外のモダンな椅子の歴史にしたいと思います。ちなみに僕も勉強中です(笑)では早速いってみましょう!

「職人から大量生産の時代へ」 19世紀中盤~後半

この頃はイギリスを中心に、産業革命や大量生産、蒸気機関などの言葉が飛び交う時代感となります。なんか学生の頃の歴史の授業を思い出します(笑)僕はこの頃からの家具をモダンと呼んでもいいのかなと考えています。それはなぜか?世の中に大量に出回ったからです。上記で述べたように大量生産で家具が生産可能になってきたからです。

それまでの家具というのは、基本的に職人という人たちが工房と呼ばれるところで1つ1つ手作業で作られていたものが主流となります。ですので、生産できる数は限られますし時間もかかる。そんな時代です。個体差はありますが、修理とかをしながら永く使っていくというのは、その時代ならではかもしれません。

1860年あたりにモダン家具の源流の1つとも言っていい、トーネットのNo,14という椅子が誕生します。この椅子は従来の完成品で運ぶような椅子とは違い、組立式(ノックダウン式)が採用されます。これは当時とても画期的だったと思います。パーツごとにまとめることで同じ面積でも、今までとは比にならない数の椅子を出荷、輸出することができたでしょうから。そして現場で組み立てる、今では普通の事でも当時は皆んなビックリしたと思いますよ?

名作家具の条件の1つとして「大量生産され、世の中に多く出回っているもの」というようなことを唱えている方もいるくらいです。このNo,14という椅子は簡単に当てはまりますね!

ちなみに余談ですが、この機会を使って大量生産されたものが嫌いだった有名人がいます。そう「ウィリアム・モリス」です。大量生産によって作られた粗悪なものを見て、「やっぱり職人の時代が良い!」と原点回帰を唱えた方です。だからデザインも機械の反対側にある、自然(植物や鳥など)をモチーフにしたものが多いそうです。しかも染色も植物由来を使用するほど。よほど機械が嫌いだったんでしょうね(笑)

トーネット アームチェア
トーネット サイドチェア(曲木の椅子)

「芸術と技術の統一」1900年~1930年代

この年代というのはいろんな分野で新技術や新素材が使用されることになっていく時代かと思います。椅子も然りです。今までは木材が主流だった椅子ですが、ドイツを中心に飛躍的に変わっていくこととなります。ここでデザイン好きなら一度は聞いたことのある学校が出てきます。「バウハウス」(ドイツ語で建築の家という意味)。たった14年という短命でありながら、全世界的に知られているこのバウハウスという学校。初代校長には「ウォルター・グロピウス」と数々の著名人が学校の校長を務めていました。

またこの学校の前身としては「ドイツ工作連盟」などが挙げられます。「ドイツ工作連盟」は、先ほど少し出てきた「ウィリアム・モリス」が関わっていた イギリスの「アーツ&クラフツ運動」に影響を受け、工業化を否定せず、芸術家と手工業、工業、商業の協調を主張していました。

「ドイツ工作連盟」をルーツに持ったバウハウスではウォルター・グロピウスの「すべての造形活動の最終目的は建築である」という言葉をもとに様々な分野の学びが行われていました。ただ年数が進むにつれ考え方や校長が変わったりと、時代に合わせて変化はあったそうです。グロピウス自体も次第に合理性や機能性を重視するようになりました。段々と今で言うインダストリアル的な考えになってきたんでしょうね!

最後の校長先生は「ミース・ファン・デル・ローエ」という、世界の建築三大巨匠に挙げられている方でした。ミースが就任した時代はちょうど「ナチス」が台頭していた時。残念ながらバウハウスも弾圧によって閉校に追い込まれます。こういうことを聞くとなんか悲しいですよね…

バウハウスの話が続きましたが、この時代を象徴する椅子と言えばスチール素材に黒革などのとてもシンプルなデザインが多いです。カンティレバー(片持ち椅子)などもこの時代に誕生します。木材が主流だった時代が、あっという間に金属へ。片持ち椅子の例を挙げると、マルセルブロイヤーの「チェスカチェア」やミースの「MRチェア」などです。また片持ち以外だと、ル・コルビジェの「LCシリーズ」やバルセロナチェア(ミース)などもこの辺の時代の椅子です。

ちなみに木材でこのカンティレバー構造を用いて、椅子を作っていた方もいます。皆さんもご存知の「アルヴァ・アアルト」です。スツール60やパイミオチェアなどで有名ですね!この方は自国のフィンランドという文化を大事にし続けたデザイナーです。

話を戻しまして、この時代に「シンプルで美しいもの」という考え方が出始めたという感じです。それまでは芸術、家具は装飾というものが施されているものが多く存在しました。それの真逆。装飾はなくし、合理性や機能性を重視したデザイン。人々はいつしか、それに美しいと感じるようになっていきます。多くの人の価値観を変えていくというのはすごく難しいと思います。時間もかかったでしょうね。

チェスカチェア(片持ち椅子)

「アメリカの時代と新素材」1940年~1960年代

インテリア業界ではこの時代の事をミッドセンチュリー(1世紀の真ん中)なんて呼んでいます。この時代の椅子には主に「成型合板」「強化プラスチック(FRP)」などが多用され、デザイン性も有機的なものが増えてきます。「成型合板」と「強化プラスチック(FRP)」などは軍事産業によって開発され、この新技術が椅子のデザイン性上げたと言っても過言ではありません。今までは木材や金属を曲げたりして曲線を作っていましたが、どちらもプレス機を使用することでさらに有機的な形状を生み出すことが可能です。この時代は、これまでに「デザインしたくても出来なかったことが出来るようになってくる」という時代です。

実は上記の新技術を利用し椅子などを作った有名デザイナーが存在します。それが「イームズ夫妻」です。やっと登場しましたね(笑)イームズ夫妻は果敢に新技術を使用し、より多くの人に良いデザインを提供してきました。これがイームズ夫妻の人気の理由の1つかもしれませんね。

この1940年~1960年頃の時代はイームズ夫妻以外にも様々なデザイナーが活躍していた時期でもあります。例として有名なデザイナーの名前を挙げると、「エーロサーリネン」「ハリーベルトア」「フローレンスノル」「ジョージネルソン」「アレキサンダージラード」「イサムノグチ」などなど…。切りがありません。本当この時代は黄金期と呼ばれるだけあります。

デザインは元々ヨーロッパが中心でしたが、ここからアメリカがデザインの中心となります。こうなった経緯として考えられることは、上記で述べた「バウハウス時代」のデザイナー達がアメリカに渡米してきたことでしょうか。当時ヨーロッパは戦争が激しかったですから、安全にデザイン活動が出来るアメリカに新天地を置くという方々が多かったのでしょう。さらにアメリカで開かれている一部のコンペにも審査員として参加していたデザイナーもいたようです。こうして時代が引き継がれていったのでしょう。

そしてアメリカを筆頭に世界のデザイン業界を揺るがしていくという感じですかね!

イームズLCM(プライウッドの椅子)
イームズアームシェルチェア(ファイバーグラスの椅子)

ということで、今回はザっと歴史について触れてみました。まだ僕も勉強中ということで、読んでいて物足りなかったらすみません…。やはり椅子の歴史は深いです(笑)でも面白いですね!また次回も何かしら掘り下げてブログにしたいと思います。ではまたお会いしましょう!

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