《ポップアップイベント開催中》SASロイヤルホテルってどんなホテル?
vanillaのニイツマです。
3月20日(金・祝)から4月19日(日)までの期間、宇都宮市にあるキナルバニラで開催中のアルネ・ヤコブセンのポップアップイベント。店内では期間中でしか見れない特別展示として、デンマーク・コペンハーゲンにある「SAS Royal Hotel(現:ラディソンコレクション ロイヤルホテル)」に当時の内装が残る客室「JACOBSEN SUITE 606」を再現展示中です。

そして昨年、vanillaスタッフもデンマーク現地を訪れる機会がありましたので、実際にスタッフが撮影した写真を使いながら、改めてSASホテルについてご紹介します。
世界初のデザインホテル
石造りの歴史的建物が続くコペンハーゲン中心部。その中でSASロイヤルホテルは、背の高いガラスの箱のように、すっと姿を現します。コペンハーゲンの中央駅を出てすぐの場所にあるホテルは、華やかな装飾はほとんど見られず、美しい直線で均整のとれたプロポーションだけで構成された外観で、街中を歩いていても思わず目を奪われます。

当時のデンマークとしては珍しい高層ビルで(当時の北欧一の高さ!)、スカンジナビア航空のフラッグシップホテルとして誕生。ヤコブセンの最高傑作の一つとしてだけでなく、モダニズム建築の代表作としても知られています。SASはスカンジナビア航空”Scandinavian Airlines System”の頭文字からきています。

そしてこのSASロイヤルホテルの特徴は、建物だけでなく家具やカトラリーなど全てのデザインをヤコブセンが手がけたことです。デザインホテルと呼ばれる一つの所以ですが、このSASホテルのためにデザインされたのがドロップチェアやエッグチェア、スワンチェア、ポットチェアなど今では名作と呼ばれるものばかり。AJランプもこの時に誕生しています。
直線的な外観とは反対に、屋内の内装や家具は有機的なフォルムを持たせることで対比を表現。この辺りにヤコブセンが考える北欧特有の温かみが演出されているのかもしれません。また、当時は最上階にラウンジエリアがあり、そこから一望できる景色を邪魔しないように窓の高さに合わせたのがスワンチェアと言われています。


このスワンチェアとエッグチェアも、ちょっとした対比の意図が隠されていて、スワンはオープンな使い方、エッグは空間の中でも程よくパーソナルエリアを確保できるようクローズなデザインに仕上がっています。
受け継ぐヤコブセンの思想
SASロイヤルホテルは当時から全てが残っているわけではありません。2018年にスペース・コペンハーゲンによりリノベーションされています。時代の流れとともに、屋内に設られていたヤコブセンのデザインが姿を減らしつつありましたが、改めてヤコブセンの偉業を現代にもう一度甦らせるべくリノベーションが実現しました。

床材の大理石やチーク材の建具など当時の名残を残しながら、現代のデンマークの高級感を取り入れることで次世代へと繋がるラディソン・コレクション・ロイヤルホテルが誕生しました。
606号室に残る時間
SASロイヤルホテルには、改装を受けずに残された特別な客室があります。それは606号室。通称「JACOBSEN SUITE(ヤコブセンスイート)」と呼ばれ、ヤコブセンが設計した当時のインテリアがほぼそのまま保存されている、ホテルの中でも象徴的な空間です。北欧デザイン好き、ヤコブセン好き、ひいては建築好きには憧れのスイートルームとも呼べる場所です。

あいにくvanillaスタッフは、この客室内部を実際に見ることはできませんでしたが…、ホテル全体に残るヤコブセンの空間構成や素材の使い方を体験したあとで写真を見ると、606号室がどれほど純度の高い設計空間なのかが伝わってきます。
実はSASロイヤルホテルにはこの606号室以外に、シグネチャースイートルームが用意されています。シグネチャースイートは、アルネ・ヤコブセン、ポール・ケアホルム、セシリエ・マンツの3人のデザインが取り入れられたスイート。
そしてこの中でアルネ・ヤコブセンのシグネチャースイートをvanillaスタッフはなんと見学することができました!数枚のみですが、お写真でご紹介させていただきます。

ヤコブセンの名作が現代らしいカラーリングでコーディネートされています。


当然ではありますが、ベッドサイドのウォールランプや設られている椅子はもちろんヤコブセンのデザイン。他では見ることができない貴重なセブンチェアのカラーや、これまで数えきれない人が座ってきたであろうドロップチェアの経年変化は美しさそのもの。
壁面にはヤコブセンスイートの606号室の写真が飾られていて、当時の空気感を存分に味わうことができます。

今回のブログではここまでのご紹介となります。
繰り返しにはなりますが、現在キナルバニラで開催している「アルネ・ヤコブセン ポップアップイベント」では、ご紹介したSASロイヤルホテル「JACOBSEN SUITE 606」を店内に再現展示しています。さらには期間中に限り、このヤコブセンスイートで採用されているファブリック「Royal17」での受注会が実店舗キナルバニラにて開催中ですのでお見逃しなく。
ヤコブセンが目指した”空間としてのデザイン”を、家具単体ではなく空間として体験していただけます。SASロイヤルホテルは、ヤコブセンの思想を最も象徴するプロジェクトの一つです。その空間の一部を、日本で体験できる機会は多くありません。
他にも貴重なヤコブセンのヴィンテージアーカイブも並びますので、写真では感じにくい静かな「名作の佇まい」を少しでも感じていただけたらと思います。





















