北欧デザイン出張日記−フリッツ・ハンセン(FRITZ HANSEN)本社見学編−
vanillaのニイツマです。
6月15日〜20日で訪れたデンマークはコペンハーゲン。社長とニイツマの二人での海外出張の様子をご紹介していきます。今回のブログではフリッツ・ハンセン(FRITZ HANSEN)について、本社見学の様子をお伝えしていきますね。
海外出張の目的となった、「3days of design」についてはこちらのブログもご覧ください。
フリッツ・ハンセンの始まり
フリッツ・ハンセンの本社紹介に入る前に、簡単にその歴史をおさらいです。
デンマークを代表する家具メーカーFRITZ HANSEN(フリッツ・ハンセン)。その歴史は1872年に遡ります。詳しくは特集ページでもご紹介をしていますが、19世紀末の当時のデンマークは産業革命を背景に家具製造が大きく発展していた時代。そんな時代背景の中で、1872年にキャビネット職人だったフリッツ・ハンセンが通商権を取得したことがフリッツ・ハンセン社の歴史の始まりとなっています。

フリッツ・ハンセンは自身の出身地でもあるNakskov(ナクスコウ)からコペンハーゲンへその拠点を移しますが、1887年にはその工房も手狭になってしまい、Christianshavn(クリスチャンハウン)に新たな工房を構えてその事業を拡大させていきます。
クリスチャンハウンはコペンハーゲンの中心部から東側に位置、クリスチャン4世によって築かれた運河都市とも呼べるエリアです。運河に囲まれた美しい街並みが特徴で、現在はボートやハウスボートに住む人々も多く、水辺の暮らしが根付いています。

その後フリッツ・ハンセンの家具はその高い技術力から、国内外で人気を博していくことになりますが、それに伴いクリスチャンハウンに構えた工房の一部の機能を、今回の出張で訪れたコペンハーゲンの北部に位置するAllerød「アレロッド」に移します。1896年に竣工した建物はその後フリッツ・ハンセンの本社としての機能を持ち現在に至ります。
自然とデザインが調和する街、アレロッド
アレロッドは、デンマーク・首都コペンハーゲンの北約30kmに位置する都市。豊かな森林や湖という自然環境に恵まれたエリアでありながら住宅地も広がり、電車や高速道路を利用すればコペンハーゲン中心部まで短時間でアクセスできる利便性も兼ね備えています。今回はコペンハーゲンからタクシーで移動(デンマークでの初のタクシー!)をしましたが、自然豊かな風景を見ながら移動ができました。

このアレロッドに拠点を移す少し前、フリッツ・ハンセンは息子のクリスチャンに会社を引き継ぎます。父であるフリッツ・ハンセンは目標の一つに自社の製材所を立ち上げることを思い描いていましたが、そんな父の意思を受け継いだクリスチャンにとってこのアレロッドという場所はとても理想的だったのかもしれません。
歴史と未来が同居する、インスピレーションの拠点
実はこの日はコペンハーゲンを発つ最終日。しかも午後イチには空港へ到着しなければならず、朝一からタイトなスケジュール。というのも前回のフリッツ・ハンセンショールーム編のブログでも触れた通り、本社見学は当初予定にはありませんでしたが、関係者皆様のご協力により急遽行けることになったんです!!さらにお写真でのご紹介が難しいのですが、本社見学の前にSASホテルのヤコブセンスイートも見学をさせていただいていたので、本当に貴重な機会をいただくことができました。

フリッツ・ハンセン ジャパン代表の鈴木社長を始めとして、関係者の皆様には深く感謝申し上げます。
そんな急遽決まった本社見学はコペンハーゲン滞在中で一番と言ってもいいくらいの快晴に恵まれました。コンクリートの壁にガラス張りのウィンドウ、周囲は緑に囲まれ中に入る前から自然と気持ちが高まっていきます。

初めはエントランスホールから。横に長い空間はいわば棟の間の通路にあたる場所で、正面はガラス張りで中庭が広がりとても開放感ある空間。


カウンターにはフリッツ・ハンセンの照明(CLAMテーブルランプ)が置かれ、通路にはPK31のソファ(なんと6シーター)やアートのようなオブジェもディスプレイされていました。


フリッツ・ハンセンの本社は現在よりも本格的に生産が盛んだった時代は今よりももっと広い敷地があったそうですが、使われなくなった場所は跡地を活かして展示ホール(後ほどご紹介します)や倉庫として有効的に活用されています。
エントランスで現地のスタッフさんにご挨拶をして最初に向かったのは社員食堂。途中の階段ホールや通路にもフリッツ・ハンセンの製品が並びどこを切り取っても絵になります。


食堂では時間帯的にお昼少し前だったので、昼食の準備が進んでいました。美味しそうな匂いの誘惑に負けそうになりましたが…、広い食堂エリアもしっかりと見学。ありがたいことにコーヒーもご馳走になりました。

食堂としての機能だけでなく、オフィシャルサイトなどで掲載される商品ページの撮影も行われているようで、このアングル見たことがある!と一人テンションが上がっておりました。笑
いただいたコーヒーを手にしながら次に向かったのは中庭エリア。社屋沿いのテラス席はもちろん、手入れされた中庭にもスカゲラックシリーズの家具が並べられています。天気の良い日は外で昼食をとるスタッフさんも多いそうですが、この日も天気が良く素敵な昼食の時間が簡単に想像できました。


珠玉のコレクションが並ぶデザインホール
外で美味しい空気を味わった後に向かったのはデザインホール。デザインホールはその名前の通り、フリッツ・ハンセン社のプロダクトデザインが並ぶ空間で、現在のラインナップだけでなく過去の製品・資料などのアーカイブも並ぶ貴重な場所です。


このデザインホールは当時は実際に製品が作られていた生産場所だったこともあり本当に広い空間です。当時はここで完成した製品をそのまま鉄道で輸送していたこともあり、生産と物流の拠点を担っていた重要な場所だったことが想像できます。
ホールの壁沿いにはフリッツ・ハンセン社の歴史がわかるアーカイブパネルが飾られていて、フリッツ・ハンセン社の歩みとその折々で登場した製品が並んでいます。


フリッツ・ハンセンはセブンチェアやアントチェアのような、デザイン性が高くスタイリッシュなイメージを持っている方が多いかもしれません。ですが、実は当時は木製のクラシックなデザインも多く、曲げ木の椅子なども生産をしていました。デンマークでも最古の家具メーカーとなるフリッツ・ハンセン社はその確かな技術力があるからこそ、創業から100年以上経った今でも選ばれ続けているんだと思います。


貴重なアーカイブをご紹介いただいたあとはしっかりと現在のラインナップもチェック。すでに販売が始まっている2025年の新作もしっかりと展示されていました。




デザインホールのあとは、工場の内部や実際に社員の皆様が働くオフィス空間、そしてなんと社長室!!もご紹介いただきましたが、こちらはお写真でのご紹介ができませんので、このブログでご紹介したお写真をもとにクリエイティブな空間を想像していただけたらと思います。本当に素敵な空間ばかりでした。

今回の本社見学で、フリッツ・ハンセンが大切にしてきたクラフトマンシップと、時代を超えて愛されるデザインの理由を強く感じることができました。家具は暮らしを変える。その言葉を実感させてくれるブランドです。vanillaオンラインショップではセブンチェアをはじめとして、フリッツ・ハンセンのアイテムを取り扱い中です。実店舗キナルバニラでも実際にお試しいただけますので、ご購入の際はぜひご相談ください。
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