イームズのヴィンテージのグライズと床を守れるのか!?
先日、グライズキャップはヴィンテージのイームズチェアにも使えますかというお問合せがありました。
これは一言では回答が難しいので、順番にお話したいと思います。
まず、イームズの商品にはヴィンテージと呼ばれるタイプがあります。
↑代表的なイームズシェルチェアならこんな椅子です。光が透けるほど薄いヴィンテージ。コチラはかなり稀少です。
ウン十万円します(汗)
↑このように現行にはないカラーもあります。ヴィンテージはカラーによってかなり価格が変ってきます。とりわけこのシーフォームグリーンは大変人気なカラーです。
1950年代~1990年までに生産されていたものをヴィンテージと呼んでいます。ちなみにヴィンテージは全てシェル(背もたれと座面が一体になった部分)がFRP製です。
FRPとは、Fiber Reinforced Plastics(ファイバー リインフォースド プラスチックス)の略で、ガラス繊維などの繊維をプラスチックの中に入れて強度を向上させた素材のことです。
現行のイームズチェアで最も人気なのはエッフェルベース(エッフェル塔のような形のベース)というタイプ。グライズキャップはこれを基準に作っています。
しかし、ヴィンテージの世界ではこのエッフェルベースの数が非常に少ないのが現状です。
仮にあっても、人が座れるような耐久性を持っていない可能性がとても高いので注意してください。
というのも、作られてからすでに50年以上経っているものもあり、当時の溶接技術や塗装技術の影響でサビていたり溶接部がモロくなっていたりします。溶接は外見から善し悪しがわからないものです。
そのために、ヴィンテージシェル用の新品のエッフェルベースが存在しています。
ただ、イームズチェアのメーカーであるハーマンミラー社では部品の販売を行っておりませんので、ハーマンミラー社製ではなく、モダニカ製と国産の2種類が市場に出回っています。
でも、モダニカ製のベースはヴィンテージと合わないケースも多いので、国産のタイプを使うのが主流です。
(モダニカ製のベースはモダニカ製のシェルに合わせて作られたものです。この辺はまた別の機会に詳しく。)
なので、ハーマンミラー社製のヴィンテージシェルファンにおなじみの日本製のエッフェルベースにグライズキャップが付くのかを検証してみました!
前置きが長くてすみません!
結果、全く問題なく使えます!
ヴィンテージのエッフェルベースには3タイプあり、ファースト、セカンド、サードと呼ばれています。
上の写真はエッフェルベースのファーストを再現したもので、メタルプレートで覆われたグライズをボルトで固定するタイプです。
ボルトオンタイプと言ったりします。
ヴィンテージのファーストも足裏はメタルです。
個人的にこの足の裏にキュンとしています(笑)
早速グライズキャップを装着。
写真のように、見事にピッタリです!
じゃあ、本物のヴィンテージのベースにはどうなのかということですが。
実は種類が多く、今は当店に実物がないので確認できませんので適合するサイズをご紹介します。
グライズキャップが使えるのは、グライズの直径が26~29ミリです。25ミリだとユルくてすぐに取れてしまいます。
また、グライズの厚みは4~5ミリがベストです。
記憶は定かではありませんが、サードタイプのエッフェルベースのグライズ(アイボリー)は直径がちょっと小さめだったような。。。
ぜひ、お手持ちのグライズを測ってみてください!