STOFF Nagel(ストッフナゲル)キャンドルホルダーの精度と調整
vanillaの村上です。
数年前からSTOFF Nagel(ストッフナゲル)のキャンドルホルダーをデンマークから直接輸入して販売しておりますが、どうも精度が…。毎回全部検品しているのですが、いろいろ気がつくことがありました。
全部箱から出し、基準となるキャンドルホルダーに一個ずつハメていきます。
3本の脚がスコンとハマれば素晴らしい。文句なし。
ハマらない場合はノギスで3箇所の脚間を測ります。全ての脚間が約65.4mmでキレイにハマるようですが、ほんのちょっとでもズレるとハマりません。汗
そこで、デンマークのメーカーに問い合わせてみました。その答えは、
「必ずしも3本の脚をハメる必要はないじゃん。2本ハマればいいじゃん。」
と。さすが欧米人。
仰ることはわかります。
STOFF Nagelはランダムに組むから魅力的な造形になるのであって、鉄塔のようにただ真っ直ぐ組んだらつまらないじゃん ってこと。まぁ、確かにそれは一理あります。
空間には水平・垂直・等間隔と、規則正しい要素が多く、それらが安心感を与えるものです。そこに不規則な形がポツンと置かれると、ものすごい存在感を放ってきます。植物はその最たるもの。観葉植物があるインテリアが印象的に見える理由の一つだと思います。
そして、STOFF Nagelのキャンドルホルダーは、それ単体が◯と△と□が混在した見たことない不思議な形。それがランダムに組まれれば当然不規則に。
でも、せっかく同じ同じ金型で作っているんだから、確認しますよね普通。
- ブラス(金/真鍮無垢)
- クローム(銀/亜鉛合金にクロームメッキ)
- ブラック(黒/亜鉛合金にブラック塗装)
それぞれ検品してみるとカラーによって精度が違うことがわかりました。
圧倒的にブラックは精度が高い!
脚が3本ともスコスコ入る!なぜ? 塗膜が薄い?穴にゆとりができるのかも。
一方、クロームと真鍮はすんなりハマる方が少ない。2本だけならほとんど問題なしですが。
一応デンマークでも検品したような痕跡があります。とくにクロームは脚に擦れたような跡が。それだけ脚と穴がピッタリすぎるということでは…?
とりあえず、ゴムハンマーで調整をしてみます。
どの脚が原因かを見極め、ノギスで測り、どっちに叩くかを決めます。
が、脚と本体(?)のジョイントが思ったより細く、ちょっと叩くだけですぐに動いてしまう。この調整はキリがありません。お手上げです。
金型の精度が甘いのか、成形後取り出す際にどうしても動いてしまうのか。一瞬で調整できる治具でもあればいいのにと何度思ったことか。
ということは、60年代のヴィンテージ品はもっと合わないはず。
とどのつまり、メーカーが言うように、必ずしも3本の脚をハメる必要はない と思った方が良いかもしれません。
こういうモノって、ストイックに高い精度を求めるより、ちょっとラフな部分も含めて愛でる方が気持ちも軽くなるもの。旧車や輸入車に乗っている人はきっとそんな思いがあるのではないでしょうか。
STOFF Nagelに関しては、当店では今後も検品を続けます。ただ、割れや欠け、塗装の剥がれ以外は良品と判断しようと思いました。
もちろん、よっぽど大きく曲がっているものは調整してみようと思います。
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