スタッフ
スタッフ

vanillaのムラカミです。
当店ではカリモク60Kチェア用の脚キャップを販売しております。Kチェアブーツという名で。フローリングに傷を付けないためのオプションです。通称脚キャップですね!

現在のKチェアブーツ
現在のKチェアブーツ

これです。
元々はお客様から脚の裏面に貼るフェルトシールが欲しいとご要望いただいたのがキッカケです。

僕も実際に貼ったことあります。
イームズのグライズの裏にもフェルトシールをペタッと。

でもこれは使っているうちに横ズレしてしまうんです。
粘着シールがベタ〜っと残って、逆に床を汚してしまったり。

その粘着部分にわたゴミがくっついて天然のフェルトになったり笑

もっとスマートに解決できないかと思い、摩擦に強くて適度な伸縮性を持った生地を探し、コレが誕生しました。
いわゆる、椅子の脚キャップです。
椅子の脚の靴下みたいだからKチェアソックスという命名案もありましたが、靴好きな僕たちは「ブーツ」を選びました。

が、皮肉にもこの生地の廃盤が決定し、代替えの生地はメッチャ高いとう壁に遭遇。8年も販売するロングセラーなのに…

だったらイームズのグライズキャップのように専用で作っちゃえ!
ということで今回ご紹介するのは新しい脚先キャップ、チェアブーツKです。Kチェアブーツの進化版です。

床のキズ防止にチェアブーツを
床のキズ防止にチェアブーツを

前置きが長くなりましたが、こんな見た目になります。
今までのKチェアブーツよりも短くなり、裏面にフェルトが付いた仕様です。

裏面のフェルトは圧着
裏面のフェルトは圧着

これじゃあ、市販のフェルトシールと同じで、使っているうちにベタ〜ってなるんじゃ? と思うかもしれませんが、大丈夫。

 2019年より、仕様変更でブラウンカラーとなりました。

このフェルトは本体に粘着しているのではなく、圧着しています。
本体はエラストマーというゴムに似た触感ですが、ゴムではありません。
これを液状で型に流し込み成型しますが、その固まる際にフェルトを圧着してしまうんです。そのため、フェルトの細かい繊維の隙間にエラストマーが入り込み、粘着よりも高い密着状態になります。
椅子に座って前後に動いてもまず剥がれることはありません。
もちろん、剥がすつもりで何かをすれば剥がれるかもしれませんが、一般的な利用ではまず大丈夫。

前後の脚で形が異なる
前後の脚で形が異なる

エラストマーはコストが安く、製造自体も割と簡単ですが、いかんせん、金型が異常に高いんです泣 シビれる見積もりをいただきました。。。 車買えるじゃん的な。

しかも、Kチェアは前脚と後脚で形状も角度も異なるため、1つの型で4つの脚にハマることはありません。。。

したがって、金型は2種類必要でした泣
上の写真、実は左が前足で、右が後脚用です。

イームズのグライズキャップは1つの型で4つの脚全てにハマるのでスムーズに進みましたが、こちらは実に難しい。

底面に前後がわかる刻印
底面に前後と向きがわかる刻印

写真ではちょっと分かりにくいので、底面に「F」「R」のエンボスを入れました。
そう、Fが前の意味で、Rが後ろです。
アルファベットの向きがKチェアの正面側を意味しています。

後脚に付けた状態
後脚に付けた状態

これが後脚に取り付けた状態。専用だけあってぴったりフィット。

が、このチェアブーツは金型から作っているので全部形は一緒ですが、実はKチェアのこの木部は微妙な個体差があります。

それもそのはず、量産品とはいえ、最後は人の手で一本一本丁寧に仕上げているんです。(これはほんとスゴいですよ!)
と言っても、何ミリも誤差が出ることはなく1ミリ未満の違いのようですが、チェアブーツを付けてみるとわずかにキツい、若干隙間ができるといった違いを感じ取ることができます。

でも、簡単に抜け落ちてしまうことはありません。
このエラストマーという素材はゴムのような触感ですので、そもそも滑りにくくなっています。
一度履かせたら自然に取れることはまずないと思います。

このエッジ部の曲線のカットにも意味があります。
単なるお飾りではありません。

前述の通り、滑りにくい素材なだけに、まっすぐカットした形状だと履かせにくいというデメリットがありました。少し設置面積を減らす必要がありました。
また、Kチェアが人の手で仕上げる生きた曲線を持っているのに、ズバッとカットした直線ではちょっと味気ない。
市販のものでたまたまハマるものを見つけた!みたいな見た目になってしまします。

いろいろ考えましたが、履かせやすくてKチェアのテイストに最も合っていると判断したのがこの曲線です。
我ながらとても理にかなった形だと思っています。

しかし、これについては製造の方からは「難しい…」と言われました。
事実、通常金型は非常に高額なので一発で決めるのが理想ですが、これについては型を3回作っています。
2型あるのに2回のやり直し。

最悪のイニシャルコストです。
優しく怒られました (^^;; 逆に怖い。

これは僕にも責任があります。
ちゃんと石膏や紙粘土等で完成形を伝えなかったことです。
Kチェアという商品を知らない職人さんに図面だけで伝えようとしたのが間違いでした。
これからは手間暇かけて「伝える」ことに重きを置こうと思います。

そんなこんなでようやく完成です。
取り付け自体は簡単ですが、前後の2種類と向きに注意していただければ、すぐに快適なKチェアライフを送れます!

現在、カリモク60のダイニングチェア用も製作中です。
現行品もすでに売り切れており、お待たせして申し訳ございません。
ちなみにこっちは3回作り直しています。。。
本当に元が取れるのか心配です 苦笑

 2017年4月より、ダイニングチェア用のチェアブーツDも販売開始しました!

チェアブーツのパッケージ
チェアブーツのパッケージ

ちなみにパッケージはフラフト紙を使ったコーヒー豆とかを入れるジップタイプです。
量産品ですが、国産の職人の手作業というクラフト感をパッケージに込めました。
食べ物を入れるわけじゃなので、ブリブリ破かなくても開封できるようこちらは圧着しておりません。

vanillaのオリジナル商品一覧からご覧ください。

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