ミッドセンチュリーとは その3
今回はミッドセンチュリーに関わったメーカーのお話です。
ミッドセンチュリー期、アメリカでは主にKnoll(ノール社)、Hermanmiller(ハーマンミラー社)の2社の家具メーカーが台頭していました。
Knoll(ノール社)にはチューリップチェアなどで知られるエーロ・サーリネンや、ダイヤモンドチェアのハリー・ベルトイアが。Hermanmiller(ハーマンミラー社)にはジョージ・ネルソン、イームズ夫妻、イサム・ノグチ、アレキサンダー・ジラードなどの有名デザイナー達が契約を交わしていました。
当時イームズ夫妻のシェルチェアにしてもエーロ・サーリネンのチューリップチェアにしても美術品ではなく日常品として実際に使ってもらえるように流通をさせたい「商品」でした。デザイナーはメーカーに製造を依頼し世間へ流通させたい、メーカーは人気商品をより多く販売するために良いデザイナーと契約を結び たい、というように商品の流通面でメーカーとデザイナーは持ちつ持たれつの関係だったのです。
ハーマンミラー社は、1923年、D.J.デプリーと彼の義父であるハーマンミラー達がミシガン州ジーランドの1905年創業のスターファニチャーカンパニーを買い取ったことから始まります。当初、ハーマンミラーは家庭向け家具の小さな会社でしたが、「問題を解決するためのデザイン」という理念のもと、家庭・オフィスの両方を対象としたコンテンポラリーデザイン家具のリーダーとして広く知られる会社に成長し、ミッドセンチュ リー期には前述の通りジョージ・ネルソン、チャールズ&レイ・イームズ、アレキサンダー・ジラード、イサム・ノグチといった、デザイナー達と契約を結び、名作家具を販売しました。
vanillaでは10年以上前からハーマンミラー製品の取扱いを行っており、2012年には実際にアメリカの本社とイームズハウスを見学してきました。
※その時のレポートがありますので、興味を持たれた方はこちらをご覧ください。
デザイナー達がこの世を去っても、彼等の生み出したミッドセンチュリー家具達は今もメーカーによって製造が続いています。これはこの時代にデザインされた家具が、時代が変わっても古くささを感じさせない名作であるという事を証明していると言えるかもしれませんね。
以上、ミッドセンチュリーに関わったメーカーを紹介しました!次回は「アメリカ以外のミッドセンチュリー」を紹介します。