vanillaのムラカミです。
vanillaは来年で20年になります。いろいろ考えてしまいますが、ここで改めて当店の定番商品の魅力と僕らの思いに触れようと思います!今回はTHE vanilla。vanillaの原点をじっくりと語ります。
もうこの1枚でvanillaの3本の柱がわかります。
左から、ボビーワゴン、カリモク60Kチェア、イームズシェルチェア。
一人暮らしの時にこの3つを揃えることをどれだけ夢見たことか!
どれも歴史があり、シンプルなのに個性があり、色褪せない存在感を持っています。
インテリアに関連するカタログなどを見ていると、高い確率でいずれかがイメージシーンに登場します。
もちろん、これよりも有名で高級で洗練されたデザインもありますが、この3つは社会人に成り立ての、初めての1人暮らしにドキドキしている若い人でもなんとか手が届くインテリアの定番と言えます。
イームズシェルチェア
ロッドワイヤーベースとか、エッフェルベースとか、呼び名は多少変化していますが、僕らは品番を使って『DSR』と呼んでいるイームズシェルチェア。
イームズデザインのプロダクトの中でもアイコン的な存在です。
やっぱりこの美しさと愛嬌の良さは古さを感じさせませんね!
今更、、、とか言われることもありますが、これは1脚は持っていたい名作中の名作と言えます。
日本はもちろん、アメリカ全域の他、パリでもロンドンでもベルリンでもローマでもマドリードでも、どこの国でも知られているデザインです。この事実自体が単なる流行ではないと感じさせてくれますね!
しかし、とても残念なことにリプロダクトと呼ばれるそっくりなモノが存在しています。
僕は全くの別物と思っていますが。
先日、「名作家具のヒミツ」の著者でもあるジャーナリストのジョースズキさんにこの件についてどう思うか伺ったんですが、『自分の親やおじいさんが大変な思いをして生み出したデザインをソックリに作られたら、皆さんはどう思いますか?』
と。
僕はイームズ氏の孫でも親戚でもありませんが、悲しいです。
価格の差は価値の差です。
真似ることは簡単で、ゼロから創造することはとてつもなく難しいことなんです。
オリジナルを手に入れた人にしかわからない幸福感を感じ取れると思います。
ボビーワゴン
つい、イームズは長くなってしまいます汗
続いてはボビーワゴン。
この建築的でありメカニカルな動きをするトレイが男心を鷲掴んでくるんですよね!
当店では2段2トレイのホワイトと3段5トレイのホワイトが人気ですが、今なら当店の別注カラー、『マスタードイエロー』がもう少しだけ残っています!とても良いカラーです!
※2018年1月にマスタードイエローは完売となりました。
これまでにも、ミッドナイトパープルやバタースコッチなどを別注カラーとして作りました。いずれもかなり攻めたカラーです。
別注なんだから定番にはないパンチの効いたセレクトをするのがvanillaです!
デッドスペースが少なく、ものすごい収納力を持っていますが、何を収納するかよりも、この今にも変身しそうなデザインを近くに置きたいという欲求を掻き立てるのです。
さらに、後述しますが、ボビーワゴンをもっと魅力的に見せるアイテムがあります!
カリモク60Kチェア
そして、また長くなりそうですが、もはやvanillaをご存知ならほとんどの方がご存知であろうカリモク60のKチェア。
一番に人気はスタンダードブラックの2シーター。
vanillaのオンラインショップのトップページにあるランキングでも常に上位にいます。
最近、
「みんな持ってる」とか
「ベタすぎるよね」とか
「もう古いでしょ」
なんて声を聞きます。
いやいやいや。
いやいやいやいや。
インテリアにもトレンド、つまり流行がありますが、それに反応して変化するのは超大手ショップや展示会、雑誌の中身であって、僕も含め一般ユーザーのリアルなインテリアはそうコロコロと変わらないはずです。
もちろん、変えてる方もいると思いますが、、、
それはそれで羨ましい。
仮に友達がKチェアを持っていたとして、あなたも手に入れたら全く同じインテリアになるでしょうか?
絶対にならないと思います。
間取りも違えば取り巻くアイテムも異なり、好きな色も、好きなスポーツも好きなファッションも好きな異性のタイプだって違うはず。
みんなが持っているKチェアを買ったところで、みんなとインテリアがカブることはまずないと思います。
Kチェアは1962年に誕生してもう55年。
60ブランドとしては15年。
55年続いたものが流行という言葉で括られるでしょうか。
55年は定番と呼ばれる資格を持つにふさわしい歳月です。
Kチェアのようなインテリアの主役とも言える大物家具は部屋の印象を大きく変える力があります。
だからこそ定番が選ばれるんです。
パーツごとに交換ができるので、その気になれば一生使っていけます。
懐かしいと形容するご年配の方もいれば、すごくカッコイイと言う若者もいます。カワイイとさえ言われます。
そんな商品って、実はとても少ないです。
車とか、ヴィンテージのオモチャとか。いずれも古くて普段使いできるようなものではなかったりします。
でもKチェアは新品で存在し続けています。買った人がこれから一緒に歳を重ねていけるんです。
幅広い年代の目に異なるアプローチをしてくるこのデザイン。
奇跡とも言えるでしょう。
確かに新しくはありませんが、全然古くもありません!
どんな派手な具材を入れようと、味噌汁は出汁が命じゃないですか!Kチェアは最強の出汁です!
これが入ると高水準のレベルになることは間違いありません!
定番の付加価値を上げるオリジナル商品
そんなKチェアをこよなく愛するvanillaは、同じKチェア大好きユーザーさんのために、脚裏の床キズ防止用にチェアブーツKというモノを作りました!
市販のフェルトシールはどんどんズレてきてベタ〜っとなるからです。
当初はKチェアブーツという名で、特殊な生地で靴下のようなものを作っていましたが、その生地が廃盤となってしまい、納得できる代替え生地を見つけられず、金型が必要となる成形製品の作成に踏み切りました!
嬉しいことに大好評。
カリモク60のダイニングチェア用にもチェアブーツDというアイテムもあります!
ボビーワゴンをデスク脇に置いた時、天板がデスクとほぼ同じ高さだったのスマホを置いたりしていたんですが、静かに置かないとガタン!となって気を遣いました。
また、ちょっと無機質だから柔らかさがほしいなぁと。
そこで、ミニミニシャギーラグを作ってみたんです。
そしたら、屋上に芝生があるビルみたいに!それがSHIBAFUです。
機能性は2番目で、見た目の良さで商品化!
次は天板にデスクライトやMacBookを置きたいと。
でも天板には仕切りがあってどうも置きにくい。
じゃあ、フラットにしよう!舞台のように。
写真のBUTAIが完成!
ウォールナット面とアッシュ面を使ってリバーシブルに。
仕切りの高さを1ミリだけ超える絶妙な厚みにキッチリ調整してもらってます。3枚使うと完全にフラットになります。
最近ビックリしたのは、ボビーワゴンのブランド、イタリア本国のB-LINEのホームページにBUTAIが出てるんです!!!!!
もちろん、当店は輸出していません。笑
本家が賛同してくれたようです!
ありがとう!!
イタリアのユーザーもフラットにしたいと思ってたんだ!?
もしくは、プラスチックの塊に映える木目のコントラストに心奪われた?
明太子や醤油ベースの和風パスタも好きなんじゃない!?
もう、イームズシェルチェアに座るならぜひ使って欲しいシートパッド。
シェルの形状はとても体へのフィット感良く、座りやすいものですが、このシートパッドがあるとさらに快適になります。また、シェルがツートーンカラーになったようで見た目のカワイさもアップします。
シートパッドはvanillaがイームズのヴィンテージをメインで展示していた時からの超ロングセラー。
中のウレタンが薄いと言われることもありますが、これ以上厚くするとシェルへの馴染みが悪くなり、浮いてる状態になってしまうのです。
クッション性を高め座りやすくすることは2番目。デザインを尊重しつつ、手軽に見た目のバリエーションを加えるアイテムになります。
さらに、Kチェア同様に床キズ防止用のキャップ、グライズキャップも作っちゃいました。とてつもない勢いで注文が、、、。
できるだけ見た目を崩さず、かつ、長持ちするフェルトを付けてあげたい!そんな思いでいろいろリサーチ。
ゴムとプラスチックの中間のような素材を使ったキャップで、これも金型から成形しますが、高度な技術で成形と同時にフェルトを圧着してしまうというもの。接着だと剥がれますが、圧着は簡単には剥がれません!
長々と書いてしまいましたが、この横顔を見てください。
僕をこの業界に引き込んだ罪な横顔です。笑
カワイさ、カッコ良さ、繊細さ、そしてインパクトの強さ。
唯一無二のデザインです。
今、椅子をデザインしようとしているデザイナーは何らかの形でイームズチェアを意識しているはずです。
廃盤になることを前提にデザインなんてしませんからね!
だから、今更なんて、そんなことは全然ありません。
「知る」と「体感する」は全く違います。
そんなvanillaの定番アイテムを僕らは付加価値を加えながら愛情を持って販売し続けています。
わからないことがあったら何でも聞いてください!
僕らもわからないことなら調べます!それでもわからなかったら一緒に考えましょう!
日本のインテリアを良くするために!(デカすぎるか汗)
最後に、イームズチェアのお尻はついついナデナデしてしまう美尻ですよ!
チャールズさん、好きね♪
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