左は2009年製、右は2017年製のスタンダードチェア
佐川 奬
佐川 奬

vanilla koriyamaに展示中のvitraスタンダードチェアの展示品がふと見るとかなり良い具合に「育って」いたのに気づきました。
今回の記事では個体による木目の違い、経年変化について触れて行きたいと思います。

スタンダードチェアのデザインや、フォルムについてはイームズシェルチェアと比較をした記事がありますので、そちらをご覧ください。

プルーヴェの名作、スタンダードチェアの魅力とイームズとの比較
過去記事:プルーヴェの名作、スタンダードチェアの魅力とイームズとの比較はこちら

さて、まずは個体による木目の違いについて触れていきたいと思います。
今回比較するスタンダードチェア2脚ですが2009年末の個体と2017年の個体です。

左は2009年製、右は2017年製のスタンダードチェア
左は2009年製、右は2017年製のスタンダードチェア

スタンダードチェアでウッドが使われているのは背もたれと座面の2箇所。
こうしてみると右の2017年の方が真っ直ぐな木目で、比べると2009年の方はランダムな木目をしているようにも見えます。

右(2017年)の方が木目はストレート
右(2017年)の方が木目はストレート

木を使わないでも個体差が生まれるイームズファイバーシェルチェアもありますし、自然の素材を使うものなので個体差が生まれるのは当然と言えば当然ですね。
むしろ人とは違う、自分だけの一脚として、より愛情が持てるポイントなのかもしれません。
(ちなみに当店では、同じく木目の個体差が大きいイームズラウンジチェア&オットマンを一点撮りで販売しています。)


さてここからは経年変化についてをご紹介。
すでにご覧いただいて気づいた方もいらっしゃるかもしれませんが、2009年のスタンダードチェアの方が色が濃くなっています。

左(2009年)の方が色が濃くなっています
左(2009年)の方が色が濃くなっています

さらに何度も腰掛けることによって表面が磨かれ、座面には艶も出てきています。

太ももが触れる座面の隆起部分には艶が
太ももが触れる座面の先端には艶が

これはイームズ ウッドシェルチェアのホワイトアッシュにも言えることですが、白っぽい色の木家具は日に焼けるとだんだんと色が濃くなって行きます。
さらに使っていけば細かな傷がついたり、角が削れて丸くなったり色が沈着することもあります。

角も削れてやや丸くなってきました
角も削れてやや丸くなってきました

ちなみにスタンダードチェアを検討されている・持っている方とのお話を伺うと建築が好き、プルーヴェのデザインと歴史が好きという方がたくさんいらっしゃいました。
昔の写真もご覧になり、使い古されたスタンダードチェアのビジュアルをご存知の方も多かったです。
そんな憧れのスタンダードチェアですからとても大事に使われるのでしょうが、そうなると写真で見た使い込まれて良い味が出ていた状態になるのは結構先のことになります。

うーん、なんともジレンマ。

やっぱりスタンダードチェアは立ち姿が美しい
やっぱりスタンダードチェアは立ち姿が美しい

これは好き嫌いが分かれるポイントではありますが、個人的にはいつまでも綺麗すぎる「お客様」感があるよりは、自分と同じように年を重ねた「家族」のような家具の方が魅力を感じます。
ですがもちろん、雑に扱うことを勧めている訳でもありません。

大事にはするけれど、使っていく中でどうしてもついてしまう古傷や日焼け、そういったものを許せるようになるのって時間なんだと思います(本革のブーツなんかもそうですよね)。

なので、憧れの椅子を家族のようにしていくのであれば、背伸びかな?と思うくらいのちょっと早めの時期に手に入れて、長ーく大事に使っていった方が良い具合に育てられると思います。もし憧れの椅子がおありでしたら、ちょっと早めに手に入れることも検討されてみてください。

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