フランスを代表するデザイナー(建築家・建設家)ジャン・プルーヴェ。
その彼がデザインした家具で最も有名と言っても過言ではないスタンダードチェア。
このスタンダードチェアにかつて全て木素材で作られたモデルが存在したことはご存知でしょうか。
今回はそのオールウッドで作られた「Chaise Tout Bois(シェーズ トゥ ボワ)」が復刻されることとなりましたので、ご紹介したいと思います。
こちらがそのChaise Tout Bois(シェーズ トゥ ボワ)。
名前はフランス語で「オールウッドチェア」の意味。
背と座が成形合板(プライウッド)な点はスタンダードチェアと同じですが、フレームにはスチールではなく無垢材が使われています。
スタンダードチェアの歴史は1934年に原型、chaise No.4が誕生したところから始まります。
プロトタイプでは背と座も無垢材で、表面にビスが見えない構造をしていましたが、市販時にはプライウッドのビス止めに変更されました。
これはプルーヴェがこの椅子が多くの人に使われる事を求め、コストカットに努めた結果です。
そして荷重が大きくかかる後脚には前脚よりも太い構造を持たせていましたが、中空パイプで重量が上がりすぎないようにも考慮されていました。
ちなみにこの形、椅子に大きく寄りかかって後脚だけ使って座るというプルーヴェ自身の癖も反映されていると言われています(写真をお見せできなくてすみません!)。
そして1940年代に入りますが、この頃は折しも第二次世界大戦中。
金属が満足に使えない状況に陥りますが、プルーヴェはフレームを木に置き換えて1941年にシェーズ トゥ ボワを製作。
その後戦争が終わり、木材の十分な供給が整った段階で、オーク材を材料としてプルーヴェはシェーズ トゥ ボワを製造することに決めました。フランスでは船や大聖堂の屋根にオーク材が使われることが多く、椅子の材料としての硬さと強度は申し分ありません。また個別の要望に応え、ダークステイン仕上げの椅子も製造されました。
その後1950年にプルーヴェはシェーズ メトロポール No.305という椅子を製作します。これはvitra社が現在製作しているスタンダードチェアのオリジナルです。
この頃からジャン・プルーヴェの椅子の「スタンダード」という意味合いで現在の名称になりました。
そのためvitra社が提示するスタンダードチェアの製作年はchaise No.4の1934年と1950年の二つが存在する・というわけです。
そして2020年、vitra社から初めて復刻を果たすシェーズトゥボワは彼のキャリアの中で唯一の全木製チェアであり、ネジを使わない1941年のデザインに忠実に再現されています。
大きさや座面の高さは現代の暮らしに合わせて調節され、ナチュラルオークとダークオークの2色で展開されます。
そして今回はこのシェーズ トゥ ボワの復刻に際しプロモーション期間を設けさせていただきます。一人でも多くの方にいち早く住まいに取り入れていただき、皆様のストーリーを作り語ってもらいたいというvitra社からの素敵なご提案です。
Chaise Tout Bois 特別プロモーション
■期間:2020年9月12日(土)~11月13日(金)
■内容:シェーズトゥボワのイントロダクション価格※での販売
※イントロダクション価格販売
プロモーション期間の2カ月間、購入者特典として通常定価91,300円(税込)をイントロダクション価格として86,900円(税込)でご提供させていただきます。このプロモーション対象アイテムは今回復刻するシェーズトゥボワ各色のみとなります。通常のスタンダードチェアやスタンダードSP、新作のMocaは対象外となりますのでご注意下さい。
このキャンペーンは全国のvitra正規販売店の中でも限られたショップのみの開催となりますが、vanillaではシェーズトゥボワはナチュラルオークとダークオークの2色展開、実店舗にてどちらも展示(9月10~12日頃入荷予定)いたします。
2022.8.11追記:シェーズトゥボワに座面高が低いジャパンハイト仕様が登場しました!
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