vitra製パントンチェア
ニイツマ
ニイツマ

vanillaのニイツマです。以前、vanillaのインスタライブでご紹介したVitra(ヴィトラ)。Vitraについて商品を交えながらご紹介させていただきましたが、その時にとても人気があったパントンチェアについてこちらのブログでもご紹介したいと思います。インスタライブはアーカイブしておりますので、そちらもあわせてご覧ください。また、Vitraについてもオンラインショップで詳しくご紹介しております。

vitraについてはこちら

二人のパントン

Panton Chair(パントンチェア)のデザイナーは皆様もご存じの通りヴァーナー・パントン。パントンチェア以外にも照明のフラワーポットシリーズやコーンチェアなどにインテリアアイテムの他、空間デザインなど活躍は多岐に渡ります。そんなパントンを支えていたのが、妻でありパントンのマネージャーを務めていたマリアンネ・パントンです。

二人の出会いはテネリフェ島という西アフリカにある島で、ヴァーナー・パントンは多忙な中やっと取れた休暇として、妻のマリアンネは怪我の療養で友人の別荘に来ていたそうです。当時ヴァーナー・パントンは建築家としても名前が知られていました。休暇中にも関わらず仕事熱心なパントンは肌身離さずスケッチ道具を持ち歩いていたようで、マリアンネが泊まっていた友人の別荘の建築に興味を惹かれ、休んでいたマリアンネに声をかけたことが二人の出会いとなりました。

その後二人は結ばれるわけですが、マリアンネは妻としてだけでなくヴァーナー・パントンの仕事のマネージャーとして支えていきます。パントンチェアが量産化できるようになったのは1967年。構想から量産ができるまでの長い間、パントンチェアのプロトタイプを携えて二人のパントンはヨーロッパ中をまわり、製造してくれるメーカーを探しました。そしてようやく出会ったのがVitraというわけです。

世界で初めてが生まれるまで

パントンチェアは世界で初めての一体成型のプラスチックで作られた椅子と言われています。カンティレバーと呼ばれる片持ち構造が特徴ですが、当時はこの構造で完成させるのは簡単なことではありませんでした。プラスチックは当時は新しい素材として、身の回りの製品に使われ始めた頃です。家具でもプラスチックを使ったものが多くデザインされ始めた時代で、イームズチェアはパントンチェアよりも少し早くプラスチックを採用しています。

イームズDSRとパントンチェア
イームズDSRとパントンチェア

イームズチェアが作れるのであれば簡単だろうと思いきや、パントンチェアに関しては一体成型です。イームズチェアは座面のシェル部分のみで、プラスチックの使う量やその構造自体が大きく異なります。パントンチェアのプロトタイプが完成したのは1960年のことですが、プラスチックで強度を出そうとすると重量も上がってしまいますし、型から取り出した後の研磨作業のコストもあり、当時の技術では大量生産は困難なものでした。

流れるような一続きのオーガニックな曲線美
流れるような一続きのオーガニックな曲線美

Vitraとの出会いで量産化ができるようになったものの、パントンが目標として掲げていたプラスチック製の椅子を手ごろな価格で販売することを実現するために、その後もVitraとパントンの協業は続き、1999年に現在のポリプロピレン製のパントンチェアが誕生し今に至ります。

裏面にはグライズとメーカーロゴなど
裏面にはグライズとメーカーロゴなど

進化するパントンチェア

時代の変化に合わせその素材などをアップデートしてきたパントンチェアですが、時代によってそのカラーバリエーションも変わってきました。パントンは色が人に与える影響について研究を進めており、「好きな色の上に座ることでよりリラックスできる」という言葉もあります。また、カラーバリエーションだけでなく2021年には座面の高さと背もたれの角度が調整されています。

ダイニングチェアとしてはもちろんですし、唯一無二のデザインなので一脚使いということで簡易的な作業用でもいいと思います。座面の高さは44cmと高めですが、膝裏の”あたり”が柔らかくフィット感が強めなので違和感も少なめです。カンティレバーならではの浮いたような他では味わえない座り心地が魅力的です。

スタッフ身長:164cm
スタッフ身長:164cm
スタッフ身長:158cm
スタッフ身長:158cm

オリジナリティを保ちながらも時代に合わせたアップデートは、単にデザインだけを売り続けるだけではない、ユーザーの生活を考えている正規メーカーとしての考え方を感じることができます。

本物を買うならVitra製

パントンチェアはイームズチェアと並んで、ミッドセンチュリーを代表するアイコン的な椅子ですが、名前が知れ渡ったデザイナーズチェアの宿命といえばジェネリック品の存在です。イームズチェアでも存在するジェネリック品ですが、パントンチェアでもジェネリック品が市場に出回っています。買った後長く使えることを考え、暮らしの問題を解決するためにデザインされた正規品と、その見た目だけを真似て作られたジェネリック品。意匠権が切れているとはいえ、せっかくの名作なら正規品が欲しい!そんな方には正規品のVitra製のパントンチェアをオススメします。

正規品の証「Verner Panton」
正規品の証「Verner Panton」

ヴィンテージ市場でもパントンチェアの当時のものが出回っています。ヴィンテージ品ではVitra製以外にもハーマンミラー製のパントンチェアも見かけることができますが、そちらも正規品となります。当時はFRP素材で製造され、時代が移り変わる中で現在のポリプロピレン製となりました。FRP素材のパントンチェアは、復刻という形で現在も購入することができます。

パントンファミリー

現在はポリプロピレン製のパントンチェア、そのパントンチェアの75%のサイズで作られたパントンジュニアFRP製のパントンチェアクラシックがシリーズとしてお選びいただけます。1脚あるだけで絵になるパントンチェア。デザインのパワーだけでない病みつきになる座り心地、ぜひお試しください。

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