vanilla郡山店のクロサワです。
今回のブログは現在開催中の「日本の灯り展」に際しまして、照明作家の谷俊幸さんについて迫っていきたいと思います。
『日本の灯り展』光と影を楽しむ暮らし
開催期間:【vanilla郡山】 2022年3月5日(土)-4月3日(日) 【vanilla宇都宮】 2022年4月9日(土)-5月1日(日)
光と影を楽しむ夜の延長営業
期間中の特定土曜日限定で、営業時間を20時まで延長いたします。当日は店内のスポットライトの数を落とし、よりご家庭の環境に近い状態で照明をご覧いただけます。
昼間ではわからない夜ならではの雰囲気、光の広がりをご体感いただける機会となります。ぜひごゆっくりと作品をお楽しみください。
開催日:vanilla郡山 3月12日(土)・3月26日(土)/vanilla宇都宮 4月16日(土)・4月30日(土)
また対象商品、5万円以上のお買い上げで、外気とグラス内部の温度差で生じる結露の現象によって卓上に桜の花が咲くグラス「サクラサクグラスクリア」を1個プレゼントいたします!
照明作家「谷俊幸」とは?
1950年前後を感じさせるミッドセンチュリーテイスト。日本の伝統工芸の技法を用いた作品など。ランプのコンセプトは“遊光”。影の存在を知る事で、光を演出する。火を扱う事の出来る特権、その特権を手にした事で、夜中という時間を手にした。その手にした時間だけでも影と光の存在で過ごす。作品によってその光りは花の様にも映り体で感じるインテリアを作ります。
上記は谷俊幸さん(以降谷さんと表記)のサイトにも記載されているコンセプトにもなります。谷さんは1974年に兵庫県宝塚生まれの方で、1997年に神戸芸術工科大学プロダクトデザイン科卒業。卒業後、友人5人とデザインチーム「air-com」を設立。「PP-Lamp Shade」シリーズを発表など若いうちから様々な活動に勤しんでいました。1999年には「MODERN」を設立、東京でインテリア作家として活動を行っていたそうです。2000年からは積極的に活動の幅を広げ、海外にまで進出を果たします。
そして同年に代表作でもある「Wappa Shade」シリーズを発表。その後も現在販売されているモデルを次々に発表していきます。そして数年後の2006年、MODERNから照明作家「谷俊幸」へと変貌していきます。それからは世界各地で「谷俊幸展」が開催されるようになります。現在は横浜をメインの拠点として活動を続けているそうです。
では実際にシリーズ別で照明を見ていきましょう!
ワッパシリーズ
このランプは日本伝統の「曲げわっぱ」の技法を利用しています。素材に秋田杉を使用しています。実際に谷さんは秋田に修行へ行き、技法を身に着けたそうです!秋田杉を使用することにより視覚的なインテリア、また白熱球の熱により広がる杉の匂いなど嗅覚的な部分でも楽しめます。放射線状に広がる陰影はすごく魅力的です!
ランタンシリーズ
提燈(ていとう)の三大産地と言われている水戸にて制作。表面には水や汚れを防ぐ加工を施してあります。でんぷん糊を採用し環境にも優しい素材を使用しております。普通の和紙の照明というと竹ひごを使用しているイメージがありますが、谷さんの作品はPET樹脂を使用、これにより(ひご)の存在をやわらげ、ひごの影を抑えてあります。下から覗くと珍しい八角形になっており、独特の角や丸みを表現。和紙から放たれる柔らかな光はとても癒されます!
センシリーズ
静岡県に古来から伝わる「駿河竹千筋細工」、虫篭や行灯などを竹のみで作成するという繊細な技術の一つです。竹を様々な模様に編み込みながら作られる物たちは見ていて圧巻です。谷さんの作品の中でも「Hokore」は花の力をモチーフに制作されており、蕾から満開になるまでを表現。竹ひごを一本一本熱しながらしなやかに曲げていく繊細な技術です。竹ひごから零れ出る光はとても幻想的です!
谷さんの作品とは?
3つほど作品を見て頂いた通り、谷さんの作品には繊細かつ幻想的なものが多いことがお分かり頂けたと思います。また秋田、水戸、静岡と地方の伝統技術を使用し、照明として再構築する。谷さん自身もその技術を習得しているからこそ、成し遂げられる技法なのかもしれません。日本の伝統文化をお部屋で楽しめることが一番の魅力だと僕は感じています。
伝統を受け継ぐ素晴らしさ
少し話がそれますが、ロストテクノロジーという現代の技術をもってしても再現不可能な、失われてしまった技術というものがあります。日本で例えば、鎌倉時代の日本刀の製法、石垣の野面積みなどが有名な話です。日本には今でも素晴らしい技術が存在するのに、それを受け継ぐことが出来なければ、後継者がいなければ、ロストテクノロジーとなってしまいます。谷さんの作品を実際に目の前にすると、日本文化がいかに素晴らしいかを体現できます。
谷さんの照明作品を通し日本伝統文化に触れてみてはいかがでしょうか?