イームズチェアのウッドベースのフェルトキャップ作り
vanillaの村上です。
イームズチェアユーザーの皆さま、お待たせしました。ついに始動しました、イームズチェアにマストなオプションアイテム企画(開発)を。
ず〜〜っと前から、たくさんの方に熱烈なリクエストをいただいておりました。
イームズのウッドベースのグライズキャップが欲しいと。
イームズチェアの中で1番人気のタイプはDSRというワイヤーベース(通称エッフェルベース)なのですが、次によくご注文いただくのがDSW。Wはウッドの略。シンプルにウッドベースとも呼びますが、正式名はダウェルベースと言います。
エッフェルベース用のグライズキャップは、フローングを傷つけたくない、動かす時の音を静かにしたいなどの理由からvanillaで製品化したフェルト付きの脚キャップです。
市販の粘着タイプのフェルトは使っているうちに横ずれしてベタ〜っと糊だけが残ってしまうという現実がありますが、グライズキャップはそれが起きません。貼り付けるのではなく、靴のように履かせる仕様だから。
※グライズとは
イームズチェアの脚の先端に付いた、床と接するパーツのこと。滑るという意味のglide(グライド)からきていると思いますが、床の上でスムーズにスライドさせるためのプラスチック製のパーツです。
欧米ではこれで十分なのですが、日本は靴を脱いで過ごす生活なせいか、フローリングのキズをすごく気にします。また、静かに移動できるという点も日本ならではの奥ゆかしさ。床だけに。(あ、すみません)
グライズキャップは、液状の樹脂を型に流し込んで成形しますが、液状のうちにフェルトを圧着し、フェルトの繊維の隙間に入り込んで固まるという作り。
剥がそうと思っても剥がれず、とても長持ちします。
これを気に入っていただいた方から、ぜひDSWバージョンも作ってくださいと、たくさんのリクエストをいただいておりました。
リクエストをいただけるって、本当に嬉しいことです。ありがとうございます。また、全てに迅速にお応えできず申し訳ございません。
ただ、DSWのグライズは非常に小さく、DSRのようにがっちりホールドさせることが難しいためすぐに取れてしまうという問題を抱えていました。
だからといって、ハイソックスのように長くしてしまったら、せっかくのウッドレッグの美しいテーパーラインが崩れてしまう。それはどうにか避けたい。
そして、もう1つ動き出せなかった理由がありまして…。
DSWのご注文数は多い年でも年間数十脚。一方グライズキャップは1回のミニマムロット(最低生産数)が250脚分。つまり、軽く数年分の在庫になってしまいます。
また、イニシャルコスト(初期費用)となる金型代をペイするには、10回くらいリピートしなければ…。2500脚分。 オーマイガッ!
どう考えても作れないと判断するのが普通です。とてつもなく非効率。
とはいえ、途絶えることがないリクエスト。
お気持ちはすごくわかるんですよね〜。僕もDSWを持っていたら絶対リクエストしますもん。笑
ハーマンミラーでもフェルトグライズタイプが存在しておりましたが、それを選ぶだけで納期はもれなく3ヶ月待ち。しかも、粘着しているだけなので、おそらく剥がれるかと…。
これはもう、悩んでいる場合ではない!
イームズ好きな僕らの宿命なんじゃないかと、勝手に思っちゃいました。数年分の在庫、持ちましょう! もうリクエストに対してごめんなさいと言うのは嫌!
ミニマムロットの問題は解決した(?)として、残す問題はどうしたら見た目を損なわずしっかりホールドさせるかという点。グライズと樹脂の接触面積が小さすぎる。
一か八か試したい形状を見い出し、工場へ行ってきました。
というわけで、早速試作品が届きました。
まだ微調整が必要ですが、かなりいい感じ!思わずガッツポーズ。
どうやって解決したかはゲットされた方だけのお楽しみ。(ぜんぜん大したことじゃないです汗)
なる早で動いていますが、年末は工場も大忙しのようで。
来年2月までには販売できるかなぁといった感じです。もう少々お待ちください。
※2020.1.28 ダウェルグライズキャップ販売開始しました!
この記事に登場した商品
2020.1.29 ダウェルグライズキャップ、販売開始しました!