社長!どうして826ユニットを作ったの?「誕生の秘話編」
vanillaが誕生して間もない頃、当時『柳 宗理』さんが写っている研究所内の古い写真を良く目にしていました。その背景にいつも四角の箱をただ積上げてただけの木製の棚がとても気になってました。壁一面の無数の木箱に、本や焼き物や絵画など縦にも横にもぎっちり積まれていて、使い込まれた道具のように柳さんとともに時代を生きて来たんだな〜って。
こちらに研究所の画像を見つけました
→金沢美術工芸大学の『柳宗理デザイン思考に学ぶ』
826ユニットが生まれたのは、こんな家具があったらと思ったのがきっかけです。
世の中にはこういったキューブ式の拡張できる家具は山ほどありましたが、どれもかっこ良く思えなかったのです。シンプルで簡単なデザインではありますが、取手やツマミ、素材感等が合わさって醸し出す柳さんのデザインを越えるものが無かったのです。
「無いなら作ってしまえ」
きっかけは柳さんでしたが、ふと50年代のアメリカを見ると、イームズやポール・マッコブ、ジョージ・ネルソンも拡張できるストレージユニットを作っており、当時のスタンダードだと気付き、洋書をめくってみると数多くのシーンを見かける事ができました。こちらは四角い箱をベンチの上に自由にレイアウトし、テレビやステレオ、本やアートを飾り、壁一面を大きな収納スペースとしていました。
こんな僕の思いから、当時地元の造作家具屋さんへお願いし、プロトタイプも数多く作ってみました。
「タナカさん、この商品の良さが分かりません??」
「どうやって使うのですか?」
「しかもこの価格では難しいでしょう!」
こんなありさまで僕の力だけでは製品化まではたどり着く事はできず、しばらく頓挫してました。
事が進んだのは当社のスタッフの村上との取り組みでした。今度は2人でデザインコンセプトから洗い直し、製造元も新たに開拓し、奇跡的なパートナーとの出会いもあり、商品化までこぎ着けました。
柳さんの研究所からインスパイアーされた、壁一面を横にも縦にも拡張できる、大型のテレビやステレオ、本や食器や子供のおもちゃまで、大容量の収納力をもつ、便利で、リーズナブル、しかもカッコいいストレージユニット家具。約10年の時を経て『826UNIT』の誕生です。2015年8月26日デビュー!
次回は素材編です。『社長〜どうして無垢にこだわったの?』