ジャパニーズモダンのマスターピース・ヘロンチェア
インテリアコーディネーターのコヤナギです。
当店では6月28日よりラウンジチェアキャンペーンをスタートいたしますが、先駆けまして私のおすすめのチェアをご紹介したいと思います。
ラウンジチェアキャンペーンについて、詳しくは下記のリンクとブログ記事をご覧ください。
天童木工/ヘロンチェア
メイドインジャパンのラウンジチェアの中でも、私がイチ押しなのは天童木工の「ヘロンチェア」という椅子。(メーカーでの品番は「S-5226」という品番です)山形県天童市の天童木工がつくる日本を代表するチェアです。天童木工が得意とするのは「成型合板」という技術。薄い木材を何枚も貼り合わせて、金属の型でプレスして造形する技です。
当店のWEBサイトでも取り扱いのある、バタフライスツールという商品も天童木工によるもので成型合板の技術を使って製作されています。 デザインしたのは天童木工の元開発部長である菅澤光政さんという方で、天童木工の開発の第一線で活躍されていました。
成型合板の特長は、軽くて丈夫ということ。木材は木目に沿って割れてしまうことがありますが、薄い板の木目を互い違いにして、最大限に強度を高めているのです。(成型合板の説明はとても長くなるので、詳しくは店頭で聞いてください…)見た目が華奢で繊細なのに、座ると安心感のある座り心地には驚かれるかもしれません。
美しさと強度の両立
中でも、ぜひ見てほしいのが「コマ入れ成型」という方法で作られるフレーム。脚部の強度を保つため、木片を間に挟み込んでひとつの形状に成形する技法なのですが、これがとても美しい。
丈夫さを高める手法として、硬くしたり厚くしたりするのではなく木材の持つしなやかさを最大限に生かした作り方が本当に見事です。
ヘロンとは鷺(さぎ)という意味なのですが、この脚の形状から名付けたものと思われます。鳥の脚って、とても細くて美しいと感じたことはありませんか?フラミンゴのように、身体が大きいのに脚細すぎない?って鳥がいますよね。これはインテリアデザイン界で言えば完全にイタリアンモダンと言えます。
少し脱線しますが、この「頭でっかち」×「細い脚」という組み合わせはデザイン的にもとても美しいと思いませんか?例えばこのデスクなんてどうでしょう。大きな抽斗を、細い金属脚が支えている。このアンバランス感が良いと私は思うんです。
話は戻りまして、このヘロンチェアの魅力はこの脚だとズバリ思います。
イサムノグチも愛用していた
akariシリーズやノグチコーヒーテーブルで知られる彫刻家のイサム・ノグチも、このヘロンチェアをアトリエで愛用していました。椅子としての本質や機能を突き詰めて、余計なものを削ぎ落したデザインが、イサム・ノグチの琴線に触れたのかもしれませんね。
このヘロンチェアは1966年に発売され、60年近く経つ今でも販売が続いています。シンプルで余分なものがないデザインだからこそ、長く愛される不朽の名作と呼ぶことが出来るのだと思います。
軽くて持ち運びもかんたん
ヘロンチェアの重量はなんと、9キロ。当店でも販売している、カリモク60Kチェアの1シーター(約10㎏)より軽いんです。女性の方でもそこまで苦労せず持ち運ぶことが出来るほど軽量なので、家の中で自由に動かして使うことができるのはいいですね。
展示はロッキングタイプが店頭に
今回、展示するものはロッキングタイプのヘロンチェア&オットマン。アームもあり、硬すぎず柔らかすぎない座り心地なのでお部屋でくつろいだり、映画やゲームをプレイする際などにもおすすめの椅子です。
ラウンジチェアキャンペーン期間中は、この「ヘロンチェア」のほかにも4脚のチェアが店頭に並びます。すべて試し座りが出来ますので、ぜひ店頭までお越しください。