郡山市の歴史をデザイン
vanillaのムラカミです。
今回はvanilla koriyamaがある郡山市の旬なネタをご紹介!
郡山市は福島県のほぼ中央にある都市。
猪苗代湖に接していながらも、昔は安積原野(あさかげんや)と呼ばれた不毛の地でした。今のような都市になったストーリーが日本遺産に認定されています。明治維新後、武士の救済と新産業による近代化を進めるため、安積の開拓に並々ならぬ想いを抱いていた大久保利通。
夢半ばで倒れた彼の想いは、猪苗代湖から郡山に水をから引くことでした。
それが「安積疏水(あさかそすい)」です。日本三大疎水の1つと言われています。
他の2つは那須疎水と琵琶湖疎水だそうです。
そしてこのストーリーが2016年4月に日本遺産(Japan Heritage)として認定されました。
いま、郡山ではこのストーリーを多くの人に知ってもらおうと、郡山駅前で「未来を拓いた『一本の水路』」として写真と映像で紹介するイベントを開催中です。
(10/8まで。午前10時~午後8時)
というのも、郡山市民対象のインターネット調査によると、日本遺産に認定されたストーリーを「読んでいない」と答えた人が約74%もいたそうです。
早速行ってきました!
予想を裏切る展示です!
ちょっとお堅い話なので、そもそも若い人が興味を持ちにくいんですよね。
今の当たり前の生活の背景にどんなストーリーがあったのかを、デザインの力で興味を持ってもらおうといったイベント。
写真を展示しているのは20フィートのコンテナ。
中央には横約4.3メートル、縦約2.4メートルの大型ビジョンでタイムラプスを使った映像を公開中。
その隣には先日当店でもお世話になったFLAT WHITE COFFEE FACTORYのトレーラーショップがオープン。
またカッコいいんだこれが!
この日は天気も良く暑かったのでトニックコーヒーで休憩。
さて話は戻ります。
イイもの、イイことはちゃんと伝えるべきだと思うんです。
いつか興味を持ったらたどり着いてくださいね〜。ではなく、今興味がなくても知ることでそれが大きな財産になります。
まして、自分の住む街のことならなおさら。
日本遺産(文化庁認定)って、凄いことですしね。
でも今興味のない人にどうやって伝えるか。どうやって興味を持ってもらうか。
それが大きな問題です。
その場にいた市の職員の方と話したところ、いろいろ悩み考えました とおっしゃってました。
問題を解決すること、それがデザインだと思います。
イームズチェアやアーロンチェアを製造するハーマンミラーの「ハーマンミラーが大切にしていること」というページにこんな言葉があります。
ハーマンミラーにとって、デザインは問題を解決する方法です。
質問し、よく観察し、考え、夢見て、討論し、試しに作ってみて、失敗し、また挑戦する、というプロセスから生まれます。
手がかかりますが、成果を生む作業です。
この郡山市の企画もまさに、デザインで問題を解決する試みだと思います。
市役所の会議室や公民館の多目的ホールでやっても問題は解決しなかったでしょう。
僕がこのイベントを見に行った時、すでに若い人が集まっており、コーヒーを片手に「知らなかった〜」といった顔で写真を見ていました。上の写真はタイミング悪く誰もいないですが汗
プロのカメラマンの写真やインスタから見つけた写真がずらりと展示。ハッシュタグは #mykoriyama
スーツを着た仕事中の方も足を止め、何事かと主催者に質問し、これから向かう商談先で雑談のネタになることでしょう。
それを聞いた地元の人は灯台下暗しと感じて昼休みに見にくるかも。
俯瞰したいと、隣のビルの22階へ。
世界一高い場所にあるプラネタリウムに認定されているビル。
多くの人は目で見たものを一瞬で好きか嫌いか、興味が有るか無いかを無意識に決めているはずです。
キッカケはおしゃれなコーヒーショップだったかもしれません。
大きなヴィジョンに映し出されたタイムラプス映像だったかもしれません。
普段何もない広場にコンテナが並んでいるからなんとなく近づいただけかもしれません。
それでも、今までの手法では伝わらなかった人に興味を持ってもらったのは間違いないはず。
そこには何千文字の活字があるわけでもなく、ただ映像と写真があるだけ。
コーヒーの香りが漂う広場の木陰に座って眺めるだけ。
できればここに当店の家具もちょっとだけ置いてみたかった。
インテリア好きな方がデザイナーズチェアを見かけて近寄ったら、安積疏水と日本遺産を知った。なんて。
なんか嬉しい!
そんな地域貢献ができたら幸せだなぁと思った瞬間です。
vanillamagでこの記事を書いたことで少しでも興味を持ってくれた方がいれば、それも嬉しいです!
10/8まで開催中です! まだ間に合いますよ!
オランダの写真。
実は安積疏水、どういうルートで掘るかを決めたのは、政府が招いたオランダ人の土木技術者ファン・ドールンでした。
郡山市の小学生は高学年になるとみんな知っている名前のようです。
その功績から、ファン・ドールンのふるさとであるオランダのブルメン市と郡山市は姉妹都市となりました。
僕も初めて知りました。地元のことなのに!
こんなイベントをしていなかったら知らなかったかもしれません。
息子が知っているのに僕は知らない姉妹都市。
いやいや、それはヤバいでしょう笑
良かった見てきて。